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「検察側の罪人」感想。(ネタバレあり) [にのみ]

「検察側の罪人」観てきました。

原作のラストもだいぶもやったけど、
映画は違う意味でもやもやした。
(これから行く人は、原作読んどいたほうがわかりやすいかもしれない。
状況説明がほとんどないので)



まず、役者さんたちの演技が素晴らしかった。
予告で流れてたので言うと、
沖野が松倉を取り調べるところと(沖野も松倉もめっちゃ怖い)、
最上が沖野に「検事でいる意味がない」って言うシーンが特によかった。


前者もすごく緊迫するシーンだけど、私は後者が好き。
あれだけ心酔していた最上に、
自分の正義のために対抗しなければならない。
逡巡、苦悩、反感、失望…。
観ているこっちの心臓もかき乱される。



ラストの沖野の叫びは、
自分が信じていた正義って何だったんだとか、
それでも自分の正義を貫きたいとか貫いていいのかとか、
最上への諦念とか誰を信じていいのかとか、
検事になった時の純粋でまっすぐな気持ちはもう取り戻せないとか、
いろんな気持ちがない交ぜになったのだろう。

でも私的にはやっぱり最上には捕まってほしかった。
松倉にも死んでほしくなかった。
そのほうが沖野の苦悩が深まるんじゃないのかな。

真実を追求しようとして助けたはずの松倉は、
沖野に感謝するどころかさんざんなじった挙句これからものうのうと生きていく。
真実を追求しようとして追い詰めた最上は逮捕され、
それでも沖野に謝罪し優しい言葉をかける。

そりゃ叫びたくもなるよ。

だから私は原作の終わり方が好き。



…って昨日観た後は思ってたけど、
今日になってまたいろいろ考えてみたら、
映画の終わり方もありかな、と思うようになった。

あの後最上はやっぱり捕まるかもしれないし、
結局何も変わらないのかもしれない。

沖野にとってはどちらも苦しい。きっと。


彼はこれからどういう生き方をしていくのだろう。
あきらめるのか。意志を貫くのか。
逃げるのか。戦うのか。


今月中にもう一回観に行けたらいいな。

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